人は所属するグループの人数が多いほど、そのメンバーと「協力」する行動が増えるらしい。理化学研究所や米国立衛生研究所などの研究チームが、これまでの定説に反する結果を学術誌「コミュニケーションズ・サイコロジー」で発表した(https://doi.org/10.1038/s44271-024-00177-3)。
理研の赤石れいユニットリーダー(社会神経科学)らは、日本人の若者83人に「囚人のジレンマ」と呼ばれるゲームに参加してもらった。相手が「協力」しているときに自分も協力すれば得点できるが、自分だけ裏切ればもっと高得点になる。ただ、相手も自分も裏切っていたら得点ゼロ。協力したのに相手に裏切られたら、逆に点が減らされるルールだ。
グループには被験者以外に1~5人のメンバーがいて、各ゲームの前に1人が選ばれて「対戦」の相手になる。メンバーの数はときどき変動するようにした。
すると、被験者以外のメンバ…